広告右往左往

ダイアリーからこちらに引越しました。新しいものはポチポチ書こうと思っています。相変わらず広告屋のおっさんのしがないぼやきでしかありませんが、よろしかったらどうぞ~

HDYホールディングスの年間決算とガンホーの1Q決算

「営業利益」が「最高益」と言う事の意味

昨日博報堂DYHDの2013年3月期の決算発表があった。詳細はリンク先などの情報を見てもらえばと思いますが(http://www.findstar.co.jp/articles/view/5189)、営業利益で約263億円(前年同期比32.8%増)、経常利益で約280億円(前年同期比27.6%増)と、売上高も伸びているものの、収益性の改善が著しくて、「営業利益が過去最高益」を上げたとの報道です。

同業者としては業界の雄、博報堂DYの状況が改善されると言う事は誠に喜ばしいですし、リリースによればマスメディア以外での売り上げだけではなく、マス4メディアでも売上高の増加がみられると言う事が、少しばかり心を強くする出来事ですけれど、肝心の営業利益へのマスメディアの貢献がどこまであったのかは?だとは思います。

営業利益の新記録は「販管費の伸びを売上総利益よりも抑えた」と言う事によって達成されていると言う事ですから、「効率化」をますます進めた結果と言う事が大きなファクターになっているのでしょう。

そもそも広告会社のビジネスの構造って、人件費の占める比率の高いモデルですから、働く人たちにすぐさまこの「最高益」が上手く還元されるのかどうかは?の部分もあるでしょうね。それでも、上向きの数字が出てくるのは嬉しいこと。アベノミクスの効果もこの半期にもっともっと出てほしいものです。

ガンホーは1Qだけで「営業利益186億円(同7383.9%増)」!

博報堂DYHDの数字を見て喜んでいたらば、「パスドラ」の大ヒットで一躍有名になった「ガンホー」は1Qだけで186億円の営業利益だそうで・・・(http://gamebiz.jp/?p=104624)。単純に4倍しちゃいけないのでしょうけれど、半年で軽く博報堂DYHDの営業利益を超えちゃうってわけですね・・・

時代は変わり、プラットフォームは変わって(TVからネット)も、コンテンツメーカーやプラットフォーマーは強いと言う事を、改めて感じました。

ちょっと前の(と言うか今でも立派なリーダーですが)DeNAGreeも含め、プラットフォームとコンテンツを持ち、B to Cでビジネスをする事が出来るビジネスモデルは、やり方次第で大きな収益を直接エンドユーザーから上げることが出来ると言う、魅力的なビジネスだなぁと個人的には思っていましたし、広告会社だって本当は出来たのかもしれないと思っていたので、こう言う数字を見るとちょっとへこみます。

広告会社がB to Cに踏み出しきれないワケ

事はゲームプラットフォームと言う事だけでなく、Amazonや楽天の様なネットの上での物販プラットフォームビジネスを含め、広告会社は総じてインターネットの上のB to Cのビジネスに関して上手く乗ってゆくことが出来ませんでした。
ラジオ、テレビが発達した黎明期に広告会社は放送局と組んで、番組製作と言うコンテンツを担いながら広告ビジネスを作ってきたという実績はあるので、ともすると「インターネットの上でビジネスを展開しているプラットフォーマーたちのようなビジネスをなぜ出来なかったんだ?」と言われる方が、広告会社の中には結構いる様な気がしています。

個人的にも「出来たかもね」とは思うのだけれど、本当のことを言っちゃうと広告会社が「クライアントの広告宣伝費をベースにした広告ビジネス」を生業の中心にしている限り、どうしても自らがB to Cビジネスの真ん中のプレイヤーにはなりにくい、と言う古い広告人の身体に染みついた「性」のようなものが、これを拒んできたという気がしてなりません。

どうしても自らがB to Cに踏み込んでエンドユーザーの「お金と時間」を奪うと言う事は、クライアントさんだけでなく、メディアサイドのビジネスに影響を与えてしまう事が出てくるでしょうし、そのリスクを取ってまで、そこの領域に踏み込むことは良しとしない、と言う結論はこれまではリーズナブルな事だったと思うし、今後もきっとある程度はそうなのでしょう。

また、広告会社のビジネスは基本としてB to Bなもの。そのせいもあって、本気でB to Cビジネスを「構想」して、「最後まで売りきる(ここが大事!)」オペレーション部分までをやりきれる人材や経験が不足がちと言う事も事実なのだと思います。

「このままで良いのか?」「もっと違う領域に踏み出すのか?」、この事はなかなか難しい問題。

だからこそこれまで、なかなか広告会社の次の形を体現したようなビジネスにチェンジを行えたところはなかった(と断言してしまいますが・・・)のだと思います。

でも、この決算数字を見ている限り、これ以上の収益性を手に入れるためには、今までの広告会社のビジネスモデルに閉じた常識で考えていては、おそらく無理なのじゃないかなと、改めて思わせる数字でした。

 

やっちまいました・・・

ブログから写真が消えた・・・

はてなダイアリーからこちらのブログに移行してきて、ダイアリー時代の写真をそのまま「フォトライフ」に残していた状態の時は、記事の中の写真が残っていたのですが、なんせ「タダ」ではてなさんのサービスを使ってるもんで、「フォトライフの今月分を使いきったよ~」と言うメールが来て、慌てて過去記事に載っていた写真を削除してしまい、見事に「写真の無い殺風景なブログ」になっちまいました・・・

唯一残っているのは、先日書いた「”Technology in 1993 vs. 2013” 10年でこんなに軽くなった!?」http://fuyu-kjp.hatenablog.com/entry/2013/04/16/132700 に張り付けた写真だけ・・・
とほほな状態ですが、あんまり人様も見てないブログのようなので、お許しを・・・

「ユーザビリティの高さ」と「失敗しやすさ」と・・・

今回の失敗をしてみて、「はてなブログ」の敷居の低さに改めて感心したことと、敷居が低いだけに「気軽に失敗出来る(爆)」と言う事。

私はHTMLでバリバリブログ書いてた世代の人でも無いので、ごくごく普通にはてなブログの編集方法の中で「見たまま編集」と言う、まさに「見たまま書ける」方法を取ってますし、写真一つはり込むにも、簡単にサイドバーに装備されている写真マークをポチって張り付けたりして、とっても簡単かつ快適に使ってるのですけれど、そもそもこっちに移行した時に「どうやって使うのかな~?」なんてFAQもまーったく見ずに使ってたのですね。
そういう意味では、凄く敷居の低いはてなブログの使い勝手は「万歳」なのですが、初めてこっちに移行して写真をブログに上げたのが先日のエントリーで、それまでブログに上げる写真のデータが「はてなフォトライフ」と言うクラウド上のアルバムに勝手に保存されることにも気がついていなければ、そこからブログにリンクが張られていることにも気付かずに使ってたわけです。
既にダイアリーからの移行してきた分のエントリー用に張ってあった写真のデータだけで、「30M」と言う「タダで使える容量」ほぼ一杯になっていて、先日のエントリーに上げた写真で、「打ち止め」になってしまった訳です。
そのワーニングメールを貰ってから、「あらら、こんな写真上げたつもりがないのに」と一気に過去のブログにリンクされていた写真をバサバサと削除しちまったのです。

まぁ良く勉強してからにしなさいよと言われそうな話ではあるのですが、これだけ敷居の低いサービスなので、思わず失敗への敷居も低かった・・・と言うお粗末でした。

こんな事を経験してみて、「なるほど難しいもんだな」と思ったのは、ユーザビリティを上げるために、色々なweb上のサービスの敷居が下がってきていること自体は素晴らしい事だと思うのだけれど、今回の私の様に「素人」が沢山入ってくることも事実だし、むしろそれが狙いだったりもするのだろうけれど、その事で「作り手側が思いもよらないミス」をしでかす人間が発生する確率も数段上がるのだろうなと言う事。

そして、そこで失敗する人たちは、何を自分が失敗してるのか?についてもわからない場合も多いだろうから、気を付けないとそれがそのまんま「クレーム」に繋がりかねないこと。
多くの人たちを引きつけるサービスを開発するって、ほんとに難しいのだなと、改めて思いました。

まぁ私の場合「タダで使ってばかりいないで、ちゃんとお金払って容量を上げろよ」って話でもあるのですが・・・

”Technology in 1993 vs. 2013” 10年でこんなに軽くなった!?

Technology in 1993 vs. 2013とタイトルされた写真をFBでMITの石井教授のTLで拝見して、思わず隔世の感を感じました。

写真は、http://dashburst.com/humor/technology-in-1993-vs-2013/ でもご覧いただけますが、とりあえず貼り付けときますね。

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たかが10年間の出来事なのに、昔はi-phoneで出来る事をするためにこんなにものを持って歩かなければいけなかったのだと。
私自身も、最近はすっかりPCの類のものは持ち歩かず、I-pad miniでその役目をほぼ代替させてしまっています。
テクノロジーの進化が凄いのにもびっくりするけれど、上の写真のような機能を、i-phoneと言う簡単に操作が出来るもので、ほぼ代替出来るようになったという、ユーザビリティの進化や、そこで撮られた写真や、作られたテキストなどの情報をアーカイブしたり展開、共有したりするSNSやクラウド上のストレージサービスの進化の速さが、小さなi-phone一台で出来る事を広げているのも事実だと思います。

うーん、うっかりすると10年後には、何も持たなくても自分の体の中にデバイスを埋め込まれていたりするのかも・・・

ブログ新年度! 「なんとなくBig Data」

今日は4月1日。多くの日本企業は4~9の年度を使っているので、「新年度」と言う事になっていることと思います。そして、多くの企業は「新入社員」を迎えて社内にフレッシュな顔ぶれが溢れているのでしょうね。

と言う事でも無いのですが、長らく「放置プレイ」であった「広告右往左往」をブログとして新装スタートさせるには良い日かな?とも思って、リスタートさせようかと思います。
元々、読者も沢山いたわけでも無いですし、その場その場で気がついた事を勝手につづっているだけのコンテンツなので、これから先もきっとそんな「ゆるーい」感じのコンテンツと更新ペースで進んで行くと思いますけれど、もし何かのご縁でこちらにいらした方はよろしくお願いします。
広告業界を取り巻く状況は世の中の景気感の上昇と裏腹に、厳しくなりこそすれ良くなる兆しを見せていませんけれど、「きっと何か手があるに違いない!」と信じ続けて、広告や広告会社の周りを右往左往してゆこうかと思います。

 

前回「日記」を書いた時には、ちょうどad:tech Tokyoのモデレーターをやった時だったみたいですね。ずいぶん昔のことの様な気がします。その時に自分のコートでテーマとした「Big Data」と言う言葉は、バズワードとして(と言っちゃいかんか)世の中に流布されています。

最近とみに思う事は、このBig Dataやdigitalなマーケティングな数々の事が、「構想から実行」に移りつつあるのだなと言う事です。
技術的な側面ももちろん大きく進歩したと思うけれど、政府などの関係諸機関や、何よりもその「Big Dataとして扱われる個人の塊である民意」が徐々にデータの利活用に向けてポジティブなモードに変化していると言う事が、様々な試みを実施段階に推し進める力になっていると言う気がしています。

Big Data的(あえて「的」と言います)な様々な手法は、遠い近いはあるけれど、「個人情報」と言うナーバスなものと不可分な関係にならざるを得ず、数年前まではこの個人情報の利活用と言う部分の民意が必ずしも形成しきれていなかった事で、ビジネスモードに入れない案件が多々あったのではないでしょうか?
それがなんとなくこの時期になってほぐれてきて、厳密な意味での個人情報ではないけれど、自らの購買履歴やジオグラフィックなデータなどを匿名化を前提に提供することで、自らにベネフィットが返ってくると感じられる事例が出てきていると言う事なのだろうと思います。
全く何の根拠もありませんが、これってスマホ(含むタブレット)の普及とある程度リニアに関係性があるのじゃないのかな?と個人的に感じています。(誰かそう言うリサーチしてませんか?)
スマホを使い倒してゆくと、結局ある程度自分のデータを提供することを許容した方が、便利に使える事が「無料」で手に入る。と言う感覚が一般化しているのではないかと思います。
個人的にも良く使わせていただいている、LINEなどは典型的だなと思うのですけれど無料のメッセンジャーとIP電話を提供する代わりに、「電話帳データ」と言う今までハードルが高くてなかなかアタッチすることの出来なかった凄くプライベートなデータに触ることの出来るビジネスモデルになっていると言う事は、結構凄いことだよなと思っています。
いつも、使っていながら、「電話帳を触らせる」と言う事に関しては、個人的には抵抗感がないわけではなく、大丈夫かなぁという思いはあるのですが、その不安がありつつもLINEの提供してくれるベネフィットの有難さのためには、その情報の利活用を容認している自分もいたりするのが、凄いところだよなぁと思う訳です。
そこには、サービスとしての利便性と「スタンプ」と言うキラーコンテンツの組み合わせによるサービスモデルが出来上がっており、やっぱりプラットフォームとコンテンツの合わせ技なんだよなぁと個人的には思ったりします。
これから、Big Dataやその周りを取り巻くような事が次々と「実行」されてゆくのだろうけれど、それらはけして「自動的に」もたらされるものではなく、キラーなサービスやビジネスになるためには、エンドユーザーの心をつかむ、人間の知恵やアイデアの力が最後には必要になるのだろうなと、漠然と思っています。(その辺りにまだ我々広告屋の出番はあるのかなと・・・)

 

 

引っ越しました~

ほぼ「放置プレイ」状態になっていた「はてなダイアリー」の方に書いていた日記を、こちらに引っ越ししました。
コンテンツは古いまんまですので、過去にダイアリーの方をご覧になった方はあしからず。
新しいものは、せっかくだからポチポチと書きますです。

ad:tech tokyo 開幕

前のエントリーで書いたように、本日から開幕した(正確には昨日からプレセミナーはやってました)ad:tech tokyoで、パネルディスカッションのモデレーターをやってきました。
内容については、落ち着いた所で反省も込めて書こうかと思いますけれど、三回目にして自分が登壇してみて感じた感想だけは、印象が弱くならないうちに描いてしまおうと思います。

簡単に言うと、「50分(質疑も含めて)」という時間の中で、パネルディスカッション出来ることには、非常に限りがある。ということでした。
我々のコートは事前に4回ほど打合せをして、それなりに準備はして臨んだつもりですが、やはりなかなか「ディスカッション」というほど話しを深めることは出来なかったなというのが、素直な感想と反省です。
せっかく足を運んでいただいたオーディエンスの皆様には申し訳ないことをしたなと反省しています。

私がモデレーターさせて頂いたコートには、キリン・ホールディングスの太田さん、CAの内藤さん、ngiグループの金子さん、ホットリンクの内山さんと、ブランドオーナーサイドの方から、メディアサイド、テクノロジーサイドの方までが揃っての議論だったので、実は事前の打合せでお話をさせていただいていた時には、かなり面白い議論になってたのですが、いざ限られた時間の中だと難しいものですね。

コンシューマ・データを中心にしてテクノロジーがどうやってマーケティングにインパクトを与えて行き続けられるのか?そして、それはビジネスとしてどうやったらば成立し得るのか?という、現場でやってらしゃる皆さんだからこそお持ちの問題意識をベースにした本音のトークという事ではあったのですが、どこまでそれが伝わったのか・・・
なかなか難しいものだと、認識を新たにするとともに、大変見事にモデレートされている方のコートを拝見すると、まだまだ勉強不足だなと反省しきりの一日でした。

ちょっと宣伝:ad:tech tokyoでモデレーターをします

またぞろ、ブログを「放置プレイ」していた。まぁあまり御覧になる方もいないブログなので良いといえば良いのだろうが・・・
「次世代マーケティング・リサーチ」の件も、続きを書こうと思っているのだけど、ままならず。ちょっとフラストレーションな感じ。

今日はちょっと宣伝なコンテンツ。10月27日(木)〜28日(金)の両日、ザプリンスタワー東京で、三回目のad:tech tokyoが開かれる。第一回の開催から、裏方というか自分の会社の企画チームの裏側でゆるーく関わってきた感じではあるのだけれど、今回は色々な事情から下記のコートのモデレーターをさせていただくことになった。

「マーケティングテクノロジー新潮流1〜テクノロジーの進化が拓く、マーケティングの新たな可能性〜:10月27日 12:40am - 1:30pm」
(詳しくはad:tech tokyoのサイトhttp://www.adtech-tokyo.com/ja/index.html参照)

テーマとしては、とても広大で漠然としているので、パネラーとして登壇してくださる皆様と具体的なコンテンツつについては詰めている最中。
確かにテクノロジーは、今までのマーケティングの考え方では出来なかったようなアクションを出来るようにしてくれているというのは事実だけれど、パネラーの方たちとのディスカッションの中で、すこーし見えてきたことは、大きくマーケティングの進化に寄与しているテクノロジーも「それだけ」で産める価値には限りがあり、いわゆる「芯を食った発見」のためには、当たり前のことだけれど、それらを使いこなし上で「戦略や企画を考えるヒトの知恵」が大事って言うこと。
その辺りをどんな風に上手く、更なるテクノロジーの進化につなげて、いかにマーケティングのバリューチェーンを効率化して付加価値を生み出すかって言うことが、きっとこのコートのテーマに期待されていることなんだろうなぁと思いながら、残りの時間でパネラーの皆さんと内容について詰めていくつもり。

私以外のパネラーの方々は、メーカーでマーケティングや研究開発に関わっていらっしゃる方がお一方、そして残りの皆さんはそれらのテクノロジーを使って、ソリューションを提供してくださっているサイドの方々。
これらの方々が一同に介してディスカッションをするというのは、なかなかありそうでなかったことだから、是非自分自身も含めて楽しもうと思う。
もし、ご興味のある方、そして当日ad:techにお見えになっている方、よろしかったらば是非覗いてやって下さい。